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筆談援助の会ネットワーク
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筆談援助の会は、ネットワーク組織で活動しています。
  1. メンバーはそれぞれの地域において、個別にハンディ児者の子育
    て相談や、心のケア相談を受けており、必要に応じて筆談の援助
    を行います。(→ネットワーク図)

  2. 筆談援助に関心のある方向けの研修会を行っています。(→研修案内)

  3. 筆談援助を用いて、よりよく生きるための支援活動をしている団
    体との交流を進めています。(→リンク)


2005年12月23日  長きにわたって筆談を援助してきたメンバー(石田・阿部・鈴木・七野・間)が集まり、今後の活動について検討した。
2006年1月13日 この会を『筆談援助の会』とし、『筆談援助』を社会に広めることを目的とする活動を開始することとした。
1・書籍を発行する
2・援助者を育てるための研修会を行う

この2本立てで活動をスタートした。
2006年の東京を皮切りに、大阪・福岡・兵庫・千葉で研修会を開催。
2015年からは、東京での研修に筆談ユーザー同士でのコミュニティーの場『語りの会』を導入
その他: 支援施設に出向いて心のケアの研修を行う際に筆談を見てもらったり実際に体験して貰う。
ハンディ児者の心のケア個別相談の場で、筆談を使って直接援助を行っている。支援施設に出向いて筆談の職員研修を行う。
【書籍の出版】 『言えない気持ちを伝えたい』のタイトルで、2008年11月に出版。

【研修会・勉強会・語りの会活動履歴】
年 度 場 所 日程等
2021 大阪 3月13日(土)・6月12日(土)・9月11日(土)・
12月11日(土)・2022年3月12日(土)
福岡 コロナ禍休止
兵庫 コロナ禍休止
オンライン (東京、千葉、長野) 4月3日(土)・6月20日(日)・
8月8日(日)・11月6日(土)
2020 東京 コロナ禍休止
大阪 5月9日(土)・8月1日(土)・11月7日(土)・
2021年3月13日(土)
福岡 コロナ禍休止
兵庫 コロナ禍休止
オンライン (東京、千葉、長野) 5月2日(土)・8月10日(月祝)・
12月19日(土)
2019 東京 4月28日(日)・8月12日(月祝)・2020年1月13日(月祝)
大阪 4月13日(土)・6月8日(土)・8月17日(土)・
10月19日(土)・2020年1月18日(土)
福岡 7月31日(水)
千葉 11月9日(土)・2020年2月11日(火祝)
兵庫 9月9日(月)
2018 東京 4月28日(土)・8月11日(土祝)・12月23日(日祝)
大阪 5月19日(土)・8月18日(土)・11月3日(土祝)・
2019年2月2日(土)
福岡 8月31日(金)・2019年3月8日(金)
千葉 2019年2月17日(日)
兵庫 6月5日(火)・10月2日(火)
2017 東京 4月9日(日)・8月11日(金祝)・12月23日(土祝)
大阪 4月22日(土)・7月8日(土)・10月14日(土)・
2018年1月13日(土)
福岡 6月12日(月)・2018年1月30日 (火)
千葉 2018年2月11日(日祝)
兵庫 4月11日(火)・8月1日(火)・2018年1月9日(火)
2016 東京 4月3日(日)・8月11日(木祝)・12月23日(金祝)
大阪 4月9日(土)・7月9日(土)・10月8日(土)・
2017年1月21日(土)
福岡 5月30日(月)・2017年1月31日(火)
千葉 2017年2月11日 (木祝)
2015 東京 5月24日(日)・8月1日(土)〜2日(日)・11月1日(日)
大阪 4月25日(土)・7月11日(土)・10月17日(土)・
2016年1月23日(土)
福岡 4月13日(月)・6月8日(月)・11月9日(月)・
2016年2月1日(月)
千葉 2016年2月11日(木祝)
2014 東京 7月5日(土)〜6日(日)・8月13日(水)
大阪 4月12日(土)・7月5日(土)・10月11日(土)・
2015年2月14日(土)
福岡 6月9日(月)・2015年2月2日(月)
千葉 9月14日(日)・2015年2月9日(月)
2013 東京 5月26日(日)・8月17日(土)〜18日(日)・11月10日(日)・
2014年2月8日(土)〜9日(日)
大阪 4月20日(土)・7月20日(土)・10月12日(土)・
2014年2月8日(土)
福岡 2014年1月27日(月)
2012 東京 6月16日(土)〜17日(日)・9月22日(土)〜23日(日)・
12月15日(土)〜16日(日)
大阪 5月12日(土)・9月23日(日)・2013年2月10日(日)
2011 東京 6月18日(土)〜19日(日)・10月15日(土)〜16日(日)・
2012年2月18日(土)〜19日(日)
大阪 2012年2月11日(土)
2010 大阪 6月5日(土)〜6日(日)・9月25日(土)〜26日(日)・
12月11日(土)〜12日(日)
2009 東京 8月1日(土)〜2日(日)・10月31日(土)〜11月1日(日)・
2010年2月6日(土)〜7日(日)
2008 東京 7月19日(土)〜20日(日)・11月8日(土)〜9日(日)・
2009年2月7日(土)〜8日(日)
2007 東京 4月28日(土)〜29日(日)
大阪 9月1日(土)〜2日(日)・12月1日(土)〜2日(日)・
2008年3月1日(土)〜2日(日)
2006 東京 10月28日(土)〜29日(日)・
2007年2月24日(土)〜25日(日)

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筆談の歴史について、そして今

まずFCについて触れる(FCとは、ファシリテーテッドコミュニケーションの略語)。

1)1988年 オーストラリアの特殊教育専門家ローズマリー・クロスリーが国際会議で彼女の実践(主に重度心身障害児)に基づいて発表した。これに強く関心を持った、ニューヨークシラキュース大学のダグラス・ビクレンは、オーストラリアのクロスリー研究所を訪れて、その方法について研究を開始した。

2)この結果をアメリカに持ち帰り多くの特殊教育者に伝え始めると一気に広まりを見せた。その結果、この方法に疑問を呈する検証が次々に始まることとなる。
 また、FCユーザーの発した言葉により、裁判沙汰になるといった事件も起きて、社会的な問題として取りざたされるようになった。

3)このような検証や事件の結果、アメリカ社会ではFCの妥当性が問われ、ショプラーらをトップとする人たちは、その検証結果からFCはまやかしであると位置づけることとなる。

4)ビクレンたちは、その妥当性を検証するための確認作業の結果を発表した。

5)その後も多くの研究者がFCユーザーの検証を行い、その妥当性も発表しているが、ユーザーそれぞれに特異性が見られるために、まだまだ介助の仕方を練り直す必要があると言っている研究者もいる。

 この騒動の中、FCの妥当性を信じる人たちによって、着実にパソコンのキーボードを叩き、自らの意思を伝えられるようになっていくユーザーは増えていった。中には援助なしで行えるようになった人もいた。シラキュース大学では毎年FCユーザーたちの集まりが夏に行われており数十家族で会場は埋め尽くされる、彼らの殆どはハンディサイズのコミュニケーターやPCを使用している。
 アメリカやオーストラリアのみではなく、今や世界各地でユーザーが増えており、インターネットなどを通じた広がりをみせている。

6)カニングハム久子氏のFCに関する論文から一部抜粋(許諾済)
※ニューヨークの人間開発教育研究所で多くの障害児や家族を育ててきた。日本では『我自閉症に生まれて』(テンプル・グランディン)の翻訳者として有名。(近著『異国に生きる』エスコアール)
・どんな方法も唯一最高ではない(誇大宣伝をしてはならない)
・F.C.被訓練者とF.C.介助者の選別が必要
・F.C.介助者の未熟と行き過ぎを、F.C.の効用と混同すべきではない
・盲児に点字を、聴覚障害児に指文字や手話を教えるように、他の障害児には、文字を教え、句や文章の組み立てを指導するための一つの方法として、F.C.を試みる。

◆アメリカ在住のポーシャ・アイバーセンは
「僕は考える木」(早川書房)で、息子ダグについて多くの研究者に関わり検証を続けた結果、彼の能力を見いだす方法に出会うことが出来なかった。しかしその後、インドに住むソマ・ラジャルシ・ムコパディヤイをアメリカに呼び、息子ダグに訓練を受けさせた結果、初めてダグには深い内面があることを知らされることとなる。彼女は現在、CAN(Cure Autism Now)という団体でこの方法の普及活動を進めている。

◆国内においては、古くは若林真一郎や片倉信夫、落合俊郎などにより書籍や論文でその実践が発表されてきた。
現在は、國學院大学の柴田教授とその仲間の研究者などにより、「介助」して重度の障害者が語り始めた事を、研究発表し続けている。

◆このような方法などを知らずに自然発生的に母親が我が子の手に触れることで、文字を書き始めたという報告が多くある。

◆また、特殊教育の現場にいる教員がこの方法を知り、自分なりの関わり方で、同様に文字を書くことが出来るようになったという。

◆国立特別支援教育研究所では、長きにわたり重度の身体障害児とのコミュニケーション法としてこの方法に取り組み、研究の成果を発表している。(「障害のある子どもの書字・描画における表出援助法に関する研究」平成12年3月)

2022年現在
 国内において「介助付きコミュニケーション」「筆談援助」などと呼ばれる一つのコミュニケーション支援ツールとして、多くの親子がその実践に取り組んできた。その結果これまでに障害を持つが故に思いを表現することが不可能だった人たちが語り始め、双方向からの向き合いや、支援の内容が変わってきている。今まで、彼らが持つ内面の豊かさが理解されずに「重い知的障害がある」と判断されてきた人たちの語りには、その豊かさが見て取れる。
 現在、学校現場や生活支援施設において、その語りに耳を傾ける教師や支援員が徐々に増えつつある。このことにより教育内容に変化が見られたり、生活支援施設などにおいては「本人支援」の内容に変化が見られたりしている。
 そうであっても、このような状況はまだまだごく一部の人たちの間でしか起きておらず、自己表現ができずに黙ったまま、切ない思いの中で生きている人たちが多く存在していることもまた事実である。

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